すっぴん★
6話 ショックな楽園
数ヵ月後。
ハワイオアフ島。
素と俊介の二人は、12月のある日。
NALオアフマラソンのスタート地点、アラモアナ・ビーチパークに
いた。
肌の色も、人種も、言語も違う2万人以上がエントリー。
早朝5時前、薄紫の空。
天気予報は晴れ。
現在の温度は、23度。
最高のコンデションのもと、二人はスタートの合図を今か、今かと、
待ち受けていた。
「いよいよね」
素が俊介の顔を見た。
「うううん」
俊介は、虚ろな目をしている。
実は、ここに来るまでの道のりを、俊介は感動深く思い起こしていた。