すっぴん★

俊介は居酒屋に入り席に付いた。そして、いつものようにテーブルを
自分のタオルで、丹念に拭き始めた。

「何をしてはるの」


かおるが驚いた顔をして俊介に尋ねた。


「テーブルを拭いただけだけど・・・」

済ました顔をして俊介が答えた。


「綺麗やったやん」

かおるが文句を一言。


「どこが・・・」
「信じられへん。私は客の食べ残しの容器があっても全く平気。む
しろ、テーブルの上が散らかって汚い方が落ち着くくらい」



「えええっ!?嘘だろう」


俊介は、かおるの言葉に腰を抜かさんばかりに驚いた。


「ほんまよ。まじでそう思う」


かおるは、済ました顔をして笑みを浮かべている。
俊介はただただ呆れた顔をして、かおるの顔を穴が開くほど見詰め
ていた。



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