すっぴん★

暫し、いや~な沈黙。


沈黙を破ったのは、かおるだった。

「お目当ては、素とばかり思ってたわ。いつもすっぴんで差を付けら
れているから、嫌になるわ。でも、私を選んでもらって、ごっつう嬉
しかったわ」


「素って、君の隣に座っていたすっぴんの娘(こ)?」


俊介は惚けに惚けた。


「そうよ。男の人って、どうしてすっぴんが好きなん?私もこれから
すっぴんにしようかな」


厚化粧のかおるが、心にも無い事を言っている。
ちなみに、厚化粧を落とし、すっぴんにしたら・・・。きっと、かお
るとは分からないだろう。

俊介のマジな推測。



「・・・彼女はいつもすっぴんなの」


俊介は、核心の話題を自然に話せる事を内心にんまりと思っていた。





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