すっぴん★
「いつもすっぴんみたい。化粧をしたのって・・・。ほんま、見たこ
とあれへん」
かおるは、素の化粧をした顔を見た事が無いらしい。
「余程、すっぴんに自信があるのかな」
俊介がさりげなく質問。
「うううん。そうじゃなくって、化粧がへたくそだからしないとか。
確か、彼女は言っていたっけ。でも、ほんまは、アレルギーが出るみ
たい」
「えっ、アレルギーが・・・。君はアレルギーが出た彼女の顔を見た
事はあるの」
「あるよ。と言っても、一度だけやけど」
かおるが、人差し指を1本だけ上に上げた。
「それって酷いの」
「苺のように赤く腫れていたっけ。とても痒がっていたな」
かおるは、その時の事を今でもはっきりと覚えていた。
「医者には診せたの」
「彼女は医者嫌い。子供の頃から、余程でないと病院には行かへんみ
たい」
「そうなんだ。君はそのアレルギーをどう思う」
「どうって」
「化粧品アレルギーだと思う」
「化粧品アレルギー?素が!?」
かおるが首を傾げた。