人間クローバー
第2章

出会い

「お、男かと思ったよ…」



長い沈黙を竜也が堪えきれなくなり破る。


「えっ?」


「あっ、いや…ハンドルネームが来輝だったから…」

あたふたと、竜也は意味も無くジェスチャーをしながら言う。


「あぁ…そうだよね…紛らわしいよね。ゴメンね!」

竜也は両手を広げ咄嗟に答える。


「いやいや、全然いいですよ!」


何故か敬語で話す竜也。

その瞬間、竜也が両手を離し大げさに動いた反動で、座ったまま体勢が崩れた。

「うおっ!!」


竜也は急いでフェンスを掴み体勢を立て直した。


「た、助かった…」


竜也の発言に少女はクスクスと笑い出す。

「ど、どうしたの?」




笑いながら少女は答える。

「フフッ、だって今から自殺するのに助かったとか言っちゃってるから…」
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