人間クローバー
我に返ったかの様に竜也は恥ずかしくなった…

麻里花は無表情のまま竜也を黙って見つめていた。

“視線が痛い…"

“童貞って事がバレたんじゃないだろうか…"


様々な思考が竜也の頭を駆け巡り、取り乱さない様に細心の注意を払いながら震えている手を背中に回した。

とはいえ押し倒した時点で、取り乱している事がバレてるんじゃないだろうか?
そんな事を頭の中で考えていた。

麻里花は相変わらず竜也を真っ直ぐみつめていた。

恐ろしく冷めたい視線で麻里花が口を開く。


「どうするの?」


“俺はこの子をどうしたい?"

頭の中が真っ白になり、何を考えているのかわからない麻里花の目線が竜也に突き刺さる。



どうしよう…どうしよう…どうしよう…どうしよう…

それしかでてこない。
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