人間クローバー
第3章

思考

「つ、付き合って下さい…」


放課後の教室…

少年は、勇気を振り絞って告白した。

顔は真っ赤で相当緊張しているのであろう。



間を置いて麻里花が答えた。

「う、うん。いいよ。」


恥ずかしそうに、はにかむ笑顔で答える麻里花に、少年の世界はパーッと明るくなった。


「あ、ありがとう一条、あっ…ま、麻里花…ちゃん。」


「えっと…麻里花でいいよ。高橋君…」


「あっ、じゃ、じゃあ俺も友喜でいいよ…」


二人の照れながらの会話はどこか違和感がありよそよそしい。



麻里花にできた初めての彼氏。

同じ学年で同じクラスで同じ部活の高橋友喜。

きっかけは吹奏楽部の練習から始まった。

二人が仲良くなるのに時間はかからなかった。
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