人間クローバー
翌日から友喜は毎日、毎日、病室にやって来ては麻里花と一緒に話しをしていた。

両親が来ると友喜は精一杯謝り続けた。

納得しない父親だったが麻里花からの助け船もあってか、不満そうだが許してもらえる事となった。



色々とあったが、友喜も変わってくれて何一つとして不安も無くなっていった麻里花だが、時折みせる友喜の視線に違和感を感じていた。

睨んでいる訳ではなく…


冷たい視線でもなく…


ふいに友喜は、麻里花の大きくなったお腹をまじまじと見つめながら言ったのだ。


「やっぱり…ここまで来たら産む……」


「えっ?」


ボソっと独り言を呟く友喜に、聞き取りづらかったが確かに聞こえた…

















“産むしかないんだよな…"
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