人間クローバー
黙って分娩室に入っていく両親。




暫くすると父親が出てきて友喜に言った。


「お前が行ってやらなくてどうする。
父親になるんだろが?」



友喜は軽くお辞儀をすると黙って分娩室に入っていった。



中に入ると小さな赤ん坊を抱えた麻里花がそこにいた。

「友喜……」


赤ん坊を抱え、苦しいながらも精一杯の笑顔で涙ぐむ麻里花。


「それじゃ私も少し席を外そうかしら…」


気をきかせて母親は部屋を出ていった。


「友喜も…抱いてみる…?」
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