人間クローバー
第4章

過去

長く続いた麻里花の話しに、何て答えたらいいのかわからない竜也は、ただ黙って地面を見つめていた。


「別に…同情してもらいたくて話した訳じゃないから。」


特に気にする様子も無く話す麻里花に竜也は急いで頷いた。


「それじゃ、そろそろ死んじゃおっか!!」


笑顔で不気味な事を言う麻里花に竜也は焦って返事する。


「ちょっと…待ってよ。

その……」


何も浮かばない。


元気出して……


(馬鹿か!!)


俺と一緒に新しい人生を…


(何様だ!!)


生きてれば良い事…


(俺が言って説得力あるか!!)


麻里花に対し、何を言ったらいいのか必死で探す竜也だったが、何を言っても裏目にしかならない気持ちだった。
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