人間クローバー
(なんだよ…俺が悪いのか?)

竜也は心の中でボヤいていた。


春香はボロボロと涙を流し、鼻水まで垂れていた。


「…お悔やみ申し上げます」

竜也は目線を下に向け、ボソりと呟いた。


次の瞬間、春香は物凄く大きな声で奇声をあげ、竜也の顔面を思いっきり引っ掻いた。


長爪だった事もあり、力強く引っ掻かれた痕は、今だに消えていない。

竜也の顔面から血が吹き出る。


春香は大粒の涙を流しながら震えていた。
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