DECIMATION~選別の贄~
二年前
DECIMATION(デシメイション)……悲運多数死(ひうんたすうし)
それは進化生物学等に使われる言葉である。
例えば”ある種”が生き残る要因というのは様々な環境の変化に対応し、天敵から身を守るために進化し、子孫を安定さして繁栄させることにある。
では逆は?
”ある種”が生き残れず絶滅する要因には何があるのか?
先に上げた生き残る要因の逆?
確かにそれは大きな因子の一つとなるだろう。
では果たしてそれだけだろうか?
他にもっと理不尽で
例えるならそう『神の悪戯』、又は『気まぐれ』とでも言うべき要因はないのか?
その『気まぐれ』の一つを我々は知っている。古代の恐竜が滅んだ最も大きな要因である巨大隕石が正にそれである。
恐竜は天敵から身を守ることができなくなった?否。
恐竜は子孫を繁栄させることが難しくなった?否。
恐竜は環境の変化に対応できなくなった?
恐らく巨大隕石による極度の変化が起こらなければ絶滅することはなかっただろう。
ーーーーでは何故、恐竜は滅んだのか?
それは至極簡単なことだ。
『運が悪かった』ただそれだけなのである。
悲運多数死とは生物界においてその時に運が悪い種は絶滅してしまうことを指す、なんとも理不尽な言葉である。
そしてそれら絶滅した種は運が悪かっただけであるから、
もしも、もう一度時間を巻き戻せたとしてその時にまた同じことが起こらなければ絶滅するとは限らない。
となれば自然と、我々人間を含む今日地球に生息している『生き残った種』も
時間を戻していくと、どこかで運悪く絶滅していた可能性は否定することなどできるはずもないのである。