DECIMATION~選別の贄~
菜月はその日の授業全く集中することができなかった。
一時間目から、いや朝起きたその時から頭の中は想次郎に会えることでいっぱいだったのだ。
「ちょっと菜月。
あんたその顔止めなさい」
「ふえ?」
菜月の幼なじみであり親友の小竹 明美が兄貴に会える喜びから綻んでいる菜月の顔を指してそう言った。
菜月はそう言われた理由が分かっていない様子で、明美はより呆れた顔をした。
「本当ブラコンも大概にしなよね。
あんたそんなんだから男子人気あるくせにフラグに気づかずにいつの間にか年齢イコール彼氏いない歴になってんのよ?そこらへん自覚してる?」
明美はサバサバとした性格をしていて男子とも対等に話ができる為、男女ともに信頼されている。
「えー、私は男子から人気なんてないよー。明美みたいにずっと恋人いるわけでもないし」
明美は菜月の無自覚にため息をつきながら明るいオレンジのショートカットの髪を揺らして首をふった。
「まぁ良いけどね。この調子じゃ修学旅行で一大決心してフラグ折られる男子の姿が目に浮かぶわ」
そう言って明美は可愛いキャラクターの袋に入った弁当箱を無造作に菜月の机に置いて、前の席の椅子を反転させて菜月に向かい合わせに座った。
共学だというのにミニスカートも気にせず大股を開く明美。
「明美さん足、足」
菜月は静かにそう言う。
「ん、ごめん」
急いで開いていた足を閉じる明美。
菜月は先程明美がしたようにため息をつきながら首をふる。
「ん?てか明美もうお弁当食べるの?早弁じゃん」
明美はそう言われて目を丸くした。
そして菜月に周りを見てみろと、無言で周りに指を指した。
「……うそ」
そこでようやく菜月は気づくのだった。
「あんたこの四時間目までの間なにしてたんだよ、居眠りなら目閉じなさいよ」
想次郎のことで頭がいっぱいで授業は全く耳に入らず、いつの間にか午前の授業が終わっていた。
「午後は少しは集中しなよ?5時間目加藤の日本史だよ?」
「はい、すいません」
一時間目から、いや朝起きたその時から頭の中は想次郎に会えることでいっぱいだったのだ。
「ちょっと菜月。
あんたその顔止めなさい」
「ふえ?」
菜月の幼なじみであり親友の小竹 明美が兄貴に会える喜びから綻んでいる菜月の顔を指してそう言った。
菜月はそう言われた理由が分かっていない様子で、明美はより呆れた顔をした。
「本当ブラコンも大概にしなよね。
あんたそんなんだから男子人気あるくせにフラグに気づかずにいつの間にか年齢イコール彼氏いない歴になってんのよ?そこらへん自覚してる?」
明美はサバサバとした性格をしていて男子とも対等に話ができる為、男女ともに信頼されている。
「えー、私は男子から人気なんてないよー。明美みたいにずっと恋人いるわけでもないし」
明美は菜月の無自覚にため息をつきながら明るいオレンジのショートカットの髪を揺らして首をふった。
「まぁ良いけどね。この調子じゃ修学旅行で一大決心してフラグ折られる男子の姿が目に浮かぶわ」
そう言って明美は可愛いキャラクターの袋に入った弁当箱を無造作に菜月の机に置いて、前の席の椅子を反転させて菜月に向かい合わせに座った。
共学だというのにミニスカートも気にせず大股を開く明美。
「明美さん足、足」
菜月は静かにそう言う。
「ん、ごめん」
急いで開いていた足を閉じる明美。
菜月は先程明美がしたようにため息をつきながら首をふる。
「ん?てか明美もうお弁当食べるの?早弁じゃん」
明美はそう言われて目を丸くした。
そして菜月に周りを見てみろと、無言で周りに指を指した。
「……うそ」
そこでようやく菜月は気づくのだった。
「あんたこの四時間目までの間なにしてたんだよ、居眠りなら目閉じなさいよ」
想次郎のことで頭がいっぱいで授業は全く耳に入らず、いつの間にか午前の授業が終わっていた。
「午後は少しは集中しなよ?5時間目加藤の日本史だよ?」
「はい、すいません」