DECIMATION~選別の贄~
スーベニア殺人
暗い部屋。
昼間なのに、その一切の光を通さないように遮光カーテンが二重に取り付けられている。
その部屋の住人は二日に一回程度の頻度でこの部屋に訪れる。
そして暗い部屋の真っ黒な幕に覆われた戸棚の中身を見て底知れない快楽を得るのであった。
「ああ、なんて綺麗なんだろう……
そうこれは永遠の美。時と共に廃れるこの世界で数少ない永遠の朽ちることのない美だ」
棚の中の一つ一つを愛でるように眺めては、まるで高級ジュエリーを扱うかの如くはめた白い手袋で、見えない埃を払ってまた戻す。
一ミリの狂いもなくディスプレイされたそれらを見て、異常なまでの笑い声を上げるのだった。
「あー、これでまた大丈夫。
しばらくは大丈夫。でも、そろそろ新しいコレクションを拡張したいなぁ」
不気味な笑い声を残して部屋を後にする。
普通の家では考えられない二重の鍵が閉められて、その部屋はまた暗闇に飲み込まれるのだった。