あなたに捧げる665日

その日は一晩泣いた。

いろいろ考えた。
ほんとは少しわかってた。

こうなるかもなって。


だって、ここ数日頭痛も気持ち悪さも日に日にましてた。


それでも元気に振舞ってたらそのうち治るだろって思ってた。


お医者さんから学校に行くのを禁止されたってことは相当ひどいのかな?


手術とかすんのかな、痛いのだけはやだな。


少し冷静になって落ち着き、トイレに行こうと思い立ち上がった。


扉のすぐ近くまで行って、何か音がすることに気づいた。


「……う、うう」

誰かのすすり泣く声だ。
「大丈夫、大丈夫だよ。」


ん?お父さんの声かな、
ってことは泣いてるのはお母さん?


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