バンド部の日常。
「……遅い」
メールを送って部室で待つこと10分。まだ来ないのか……もういっそ電話してみるかいやでも迷惑になるかも知れないし……
そう思っていたらバンッ!!とドアが開いた。入ってきたのは同じバンド部のギター担当、同じクラスの瀬西真衣__成績優秀、完璧主義、有言実行、おまけに美人という、なんとも恋愛小説に出てきそうな主人公のライバル系女子__。ちょうどいいところに来た。
「真ー衣!!ちょっと聞いてよこのプリント__」
多分この人なら話に乗ってくれ__ないと思うが乗ってくれるという希望を持ち、プリントを見せながら話しかける。すると、真衣はそのプリントをひったくるようにして奪い、書いてある字を読む。
「は?何これ。……新人バンド選手権!!参加者募集中?……出ないからね、あたしは。」
やっぱりか。まぁ断るとは思っていたが。もう一押しして無理だったらあの手を使うしか……
「えーそんなこと言わずにさぁ!!高校の思い出作りとして出てみようよー!!」
「絶対嫌」
「えー出ようよ出ようよー!!」
仕方ない。こうなったら最後の手段を使うしか__