表と裏の恋
「とーがーしくん」
職員室に向かって歩いてるといつも付きまとってくる奴の声
「ちょっと、無視しないでよー」
「…なに?」
ふり返ると牧野は近付いてきた
「富樫くんって本当はそういうキャラだったんだね」
こいつと話してるとイライラしてくる
この笑い方も話し方も
「それで、用件は?」
冷たく言っても絡んでくる
こいつに本性を隠したまま話すのはめんどくさい…
「一緒に帰ろうよ」
「無理。俺行くとこあるから」
腕を振り払って職員室に向かおうとした
はぁ…めんどくさい
「職員室に向かっても彼女さんいないよ」
ふり返るとあのイラつく笑顔を向けてきた
「なんであんたが知ってるんだよ」