表と裏の恋
とは言ったものの…
妬かせるってどうするの!?
この状況じゃ無理じゃない…?
「なに考えてるか知らないけど、顔すごいよ」
「なっ、えっ」
すごい顔!?
「百面相してたよ」
くすくす笑うハル
ひゃ、百面相って…
恥ずかしすぎる…
すると、ドーンと鮮やかな花火が上がった
「おっ、始まったな」
花火が上がるたびに照らされるハルの横顔は
去年一緒に見た横顔よりも数倍大人っぽく見えた
紺色の空に上がる大輪の花があたしたちを照らした
花火が終わってぞろぞろとみんなが帰っていく