表と裏の恋


「花火大会行きませんか?」

柔らかく言った
あたしは何も言わず…ゆっくり頷いた

嫌ではなかった
逆に行きたいって思った



「その日、ちょっと用事あるんで迎えにいけないんですけど…現地集合でいいですか?」

申し訳なさそうな顔をあたしに向けた



「いいよ」


顔をあげると嬉しそうに笑った富樫くん…

いつもは年下っぽくないのにこの笑顔は、無邪気だった



「時間はまた連絡します…それじゃ」

あたしの頭を撫でて、来た道を戻って行った

触れられてドキドキする胸を押さえて、あたしも家に入った

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