表と裏の恋
「顔…赤いよ」
「見ないでくださいよ」
照れながら顔をそむける
滅多にみせない顔
もっと、あなたのことが知りたいよ…
「ねぇ…富樫くんの気持ち教えて…?」
富樫くんは体を離して真剣な目をあたしに向けた
「…好きです。実羽さん、あなたのことが」
もう一度あたしを抱き締めた
「あたしも…」
抱き締め返すと温かさが伝わってくる
待たせて、ごめんね…
その分を込めて抱き締めた
廊下に夕日が射し込む
「そろそろ…帰りますか?」
頷いて、外に向かった
夕日に包まれながら手を繋いで帰った
あたしは今日の夕日を忘れない…
こんなにきれいな夕日を…