表と裏の恋
「あーいや、そういうことじゃなくて…似合ってないとかじゃなくて」
なにを言いたいのかわからない
ハルはため息をついた
「…可愛いですよ、本当に…。他のやつには見せたくないんです」
そう言って顔をそむけた
その顔が少し赤かった
多分、あたしも…
「なに実羽さんまで赤くなってるんですか…
ほら、海入りますよ」
照れるあたしにハルは手を差し出した
その手を握るとハルは海に一直線に走り出す
暑い体に海の水は心地よかった
「ねぇ、そろそろ足つかなくなってきたんだけど」
手を引いてどんどん進み
あたしの足がつくか、つかないかくらいのところまできた