満月の人魚
「頭にボールがぶつかって倒れたんだよ。
しっかりしてそうに見えるのに、案外ドジなんだな。」

「……黒沢君が運んでくれたの?」

「ああ。そうゆう俺も保健室の場所が分かんなくて、途中までほかのヤツについてきてもらったけど。」

黒沢は照れ臭そうに頰を掻いて笑っている。

昨日転入したばかりで保健室の場所もわからないのに、わざわざ運んでくれたのか。

「……ありがとう。私、もう平気だから黒沢君は

「丈瑠。」

もう教室に戻ってーと伝えるつもりだったのに途中で言葉を遮られた。
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