満月の人魚

体育倉庫

ーーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーー

(やられた。)

瑠璃は一人体育倉庫の中で、開かない扉を前に立ち尽くしていた。

「零士様のみならず黒沢君にまで手を出すなんて、ちょっと調子乗り過ぎなんじゃない?そこで少し頭を冷やしなさいよ!」

扉の向こうでは瑠璃を閉じ込めた張本人が声を張り上げている。

「零士様の事で相談があるから来て欲しい」と言われる事は瑠璃にとって珍しくなく、どうせまた告白の相談か何かだろうと油断していたのだ。
< 35 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop