満月の人魚
「黒沢丈瑠です。よろしくお願いします。」

少し低めの艶のある声も、女生徒をざわめかせる要素の一つだろう。

そこそこ進学校であるこの海成高校に転入出来たという事は、勉強も出来る事を物語っている。

(今時期に転入生なんて珍しいけれど、目立ちそうな人ね。)

色めき立つ女生徒の中で、瑠璃はどこか醒めたような顔で転入生を見つめていた。





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