満月の人魚
その時に全て話すよ、と答える丈瑠の顔は、丈瑠の方が何かを覚悟しているかのように瞳が揺れている。

その瞳を見ていると、今すぐ教えてくれとは言えず、瑠璃は釈然としない気持ちを抱えながらも、そこで話される何かに不安を感じずにはいられない。

「……分かったわ。」

瑠璃は週末丈瑠に会って話を聞く事を了承した。
丈瑠の言う〝覚悟〟があるかと聞かれればそれは自信がないが、記憶の事といい、もう有耶無耶には出来ないと感じていた。


二人はクラスメイト達を一人ずつ起こしてまわりながら、週末に思いを馳せるのだった。

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