満月の人魚
夢を見た。

小さい男の子と〝やくそく〟をする夢。

小さい男の子の顔は朧げだったけれど、あれはー

「……丈瑠?」

姿こそハッキリとは見えなかったけれど、夢に出てきたあの男の子は丈瑠に違いないという思いが瑠璃にはあった。

「『永遠』って、何の事かしら…?」

寝ぼけた頭を何とか覚ましながら瑠璃は時計を見た。

今日は例の丈瑠と二人で会う日なのだ。
待ち合わせの時間までそんなに猶予はなかった。

瑠璃ははやる心を抑えながら準備に取り掛かった。
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