満月の人魚
「でも、覚えておいてくれ。近いうちに俺はいつか必ずお前を迎えに行く。」

全てを見透かすような意志の強い瞳ー

瑠璃は何とも言えない表情を浮かべながら丈瑠の顔を見返していた。

“わかった”とも“困る”とも言えない。

しかし、こんな話を聞いた後では天野の家で今まで通り生活することも難しいだろう。

瑠璃の中で天野に対する猜疑心が大きくなっていく。

(父が黒幕だとして…兄さんは知っているのかしら?)

瑠璃の中で渦巻く様々な疑惑は、膨らんでいくばかりだ。
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