満月の人魚
ゴンっという鈍い音がして、零士が丈瑠の上に倒れる。

「丈瑠‼」

「ゴホッゴホッ、…大丈夫だ。ありがとう、助かったよ。」

「兄さんは…?」

丈瑠が零士の下から這い上がってきて、零士の脈を確認する。

「…大丈夫だ、生きてる。……今のうちにここから離れよう。」

瑠璃は大きく頷くと、丈瑠と共に天野邸を後にするのだった。
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