死んだら天国だなんて、嘘だ


「殺すんですか」


「呪いたくなるんだ。無性に、無差別に」


「理由をお聞きしていいでしょうか。殺される側としては聞きたい」


「変わっているね、君」


「変わっていますから、ワタシ」


一人称がワタシと来たものだから、改めて少年の風貌を見るが、男物のブレザーを着ていては性別をそうとしか見られない。


一人称なんて好き勝手かと、男は墓から降りた。


「構わないよ、一理ある。何より『会話』が出来るなら、話してみたくなる」


友好的な振る舞いでも少年の挑む目付きは変わらない。少年から向けられる敵意など、どこ吹く風と同じだが。


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