淡い色に染まるとき。
第1章
♂わたしとあなた♀
「おはよう、梓」
低い声が頭の中で響く。
ゆっくりと目を開ければ、頭を撫でて早く起きるんだと急かすように私を揺さぶる。
あと少し、もう少し。
言葉は出ないが、彼には伝わっているようだ。
「朝飯、梓の好きなホットケーキだぞ」
私の一番好きなものだ。
起きないわけにはいかず、ノロノロと起き上がると彼から甘い匂いがした。
蜂蜜をたっぷりかけて食べよう、生クリームがあるのならそれも使って食べたい。
想像しながら急いで着替えてリビングに向かう。
甘い匂いと彼の慌ててる声が聞こえる。
きっと焦がしたんだろう、同時に何かしようとするからだ。
不器用なんだから、ひとつひとつ片づければいいのに。
リビングに入ると、お皿の上には少し焦げたホットケーキ。
椅子に座って彼が作ってくれた朝食を眺めていると、ホットケーキの上に生クリームとイチゴが乗せられた。
いただきますをしてから一口食べてみる。
ちょっと苦くて、でも美味しくて。
「美味いか?」
大きく頷いてみせると、嬉しそうに笑った。
いつもいつも、私の事を気遣ってくれる。いや、同情しているだけなのかもしれない。
低い声が頭の中で響く。
ゆっくりと目を開ければ、頭を撫でて早く起きるんだと急かすように私を揺さぶる。
あと少し、もう少し。
言葉は出ないが、彼には伝わっているようだ。
「朝飯、梓の好きなホットケーキだぞ」
私の一番好きなものだ。
起きないわけにはいかず、ノロノロと起き上がると彼から甘い匂いがした。
蜂蜜をたっぷりかけて食べよう、生クリームがあるのならそれも使って食べたい。
想像しながら急いで着替えてリビングに向かう。
甘い匂いと彼の慌ててる声が聞こえる。
きっと焦がしたんだろう、同時に何かしようとするからだ。
不器用なんだから、ひとつひとつ片づければいいのに。
リビングに入ると、お皿の上には少し焦げたホットケーキ。
椅子に座って彼が作ってくれた朝食を眺めていると、ホットケーキの上に生クリームとイチゴが乗せられた。
いただきますをしてから一口食べてみる。
ちょっと苦くて、でも美味しくて。
「美味いか?」
大きく頷いてみせると、嬉しそうに笑った。
いつもいつも、私の事を気遣ってくれる。いや、同情しているだけなのかもしれない。