淡い色に染まるとき。
翌朝、私は早く学校へ送ってもらった。

教室に入ると、まだ誰もいないようだった。この手紙を机に入れようか悩んでいると、誰かが入ってきた。


「あー、古市さん、何してるのー?お手紙はダメって言われてるのにー」


扉のほうを見ると、意地悪をしてくるグループの1人が、ニヤニヤしながら近づいてきた。

どうしよう、いつもは唯香ちゃん達がいたからこの子達と関わることなんてなかったからどうしたらいいのか分かんない。


彼に教えてもらった通りに伝えようとメモ帳を取り出すと、取り上げられた。


「本当は声、出せるんじゃないの?お手紙書くのに便利だから演技してんでしょ?」


返して、それがないと言葉を伝えられない。


手を伸ばして返してもらおうとするけど、意地悪をしてくる。


「いいよね、チヤホヤされて。あんたも栗山も。馬鹿みたい」


散々、罵倒するとメモ帳をゴミ箱に投げ捨てられた。

急いで取りに行こうとすると、肩を掴まれた。



「本当に消えてほしい!」



どうして、そんなことを言うの?


本当に消えたら、あなたは本当に喜ぶの?


ゴミ箱に捨てられたメモ帳を取り出して、彼女の手を掴む。



「何?」



『言いたいことは、それだけ?』



「は?ムカつく。栗山もあんたも消えてよ!」



『消えろって簡単に言わないで』



私は、願ってもいないのに両親が亡くなったんだよ。


ずっとずっと一緒にいてほしかったよ?


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