淡い色に染まるとき。
私の機嫌を取ろうと、キッチンへ連れて行き、2人で朝ごはんの準備を始めた。

私も手伝おうとすると、椅子に座らされる。私も作りたいのに。


「あっ、馬鹿!牛乳多い!」


「や、やったことねぇから分かるかよ…」


「じゃあ、お前は混ぜて焼け。これは俺がやる」


あ、何となくだけど分かったかも。

私の好物を作ってるんだろうな。しかも、『牛乳。混ぜて焼け』っていうことは…ホットケーキかもしれない。


テーブルに手作りのイチゴジャムとブルーベリージャムが置いてある。これを塗って食べよう。


ワクワクしながら待っていると、彼が笑顔でホットケーキを持ってきた。


圭さんはオレンジジュースを持ってきて、ドヤ顔をした。


大きな、でもちょっと焦げたホットケーキ。


外はカリカリ、中はふわふわ。

1枚目はイチゴジャム、2枚目はブルーベリージャム、3枚目は蜂蜜。



「一緒に食べよう」



私が声を出す度に2人は嬉しそうな顔をする。

フォークで一口分を突き刺して、彼らに食べさせてあげる。


3人で食べれば、あっという間。


「美味かったなぁ」


「このジャム、誰が作ってくれたの?」


「お婆ちゃん。俺がここにしばらく泊まるって言ったら持ってけって」


そっかぁ。

すっごく美味しいよ。後でお礼の電話しなきゃね。


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