淡い色に染まるとき。
すると、彼が急に圭さん…圭お兄ちゃんに掴みかかった。


「お前!」


「な、何だよ…」


「それ、俺にも送って!」


「そうじゃないでしょっ」



怒るところだよっ。

私は急いで圭お兄ちゃんの携帯を奪った。

ダメ、絶対悪用するんだから。


前に彼が私の寝顔を撮って、同僚の先生や友達に見せてデレデレしていたのを私は知っている。


「アルバム作ってやろーと思ってただけ」


「でも、いきなり撮っちゃダメっ。色んな人に送っちゃダメっ」


頬を膨らませて言うと、渋々写真を消してくれた。

今度、一緒に撮ろうよ。どこかお出かけした時にでも。


遊園地とか水族館とか色んなところへ出かけて写真を撮ろう。



「3人でお出かけしようよ」


「そうだなぁ。旅行とかさ」


「俺、北海道行きたい。梓と一緒に美味しいもん食べながらー」



沖縄と同じように、彼は子供のようにはしゃぐ。

目を閉じて北海道で蟹を…いくらを…などと呟いていた。


私は雪が見れたらいいなぁ。雪だるまを作ったり、雪合戦をしてみたい。


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