淡い色に染まるとき。

のんびり食べているとドンドンと大きな音を立てて玄関の扉を叩かれた。

何だろう、こんな時間に。

彼が立ち上がって玄関へ向かうと、キャッキャッとはしゃぐ女性の声が聞こえた。

彼も気付いたのだろう、険しい顔をして扉を睨む。


「誰だ」


「あ、恭？私。由梨よ。ちょっと顔見たくて」


「由梨？どうした」


扉を開けて女性を中に入れると、いきなり彼に抱きついた。


とても綺麗な人。髪の毛がサラサラで色白でオシャレ。


「おい、やめてくれ」


「どうして？いいじゃない、久しぶりなんだし」


私には気付いていないみたいで、彼にくっついたまま話し始めた。

この場にはいないほうがよかったんだろうか、動くにも動けず２人を見ていると彼がやっと女性を離した。


「子供がいるんだ」


「…結婚してるの？」


「いや…でも、俺の子だ」



彼と手を繋いでゆっくり女性の前に出ると、今度は女性が険しい顔をした。

この人は一体、誰なんだろうか。

私の顔をじっくりと見て更に嫌な顔をした。

…何だか、嫌な気分になる。