淡い色に染まるとき。
夢の話を彼にすると、言わないでくれっと頼まれた。


「最近、俺の夢にも出てきて説教してくるんだ。頼むっ」


お父さんたら、彼の夢にまで入ってそんなことをしているんだ。

じゃあ、私が何も言わなくてもきっと知ってるはずだ。


「このスタンプも俺からの愛ってことで」


『これも私からの愛ってことで』


お互いの頬を触って笑いあう。

お父さん、許してあげてね。私もやり返しちゃったから、ごめんね。


しばらくベッドの上で遊んでから食堂へ向かう。

今日の朝ごはんは、ビュッフェのようで美味しそうなものが色々と置いてあった。


私は紅芋ごはん、アロエのお刺身、ミミガーの酢和え、ソーキ汁。

彼はトンファン、ヘチマの田楽、山羊のお刺身、イカ汁。


「朝もこんな美味しいもの…太っちゃうなぁ」


確かに、こういうの毎日食べてたらおかわりしすぎちゃうかも。

紅芋が甘くてごはんによく合う。アロエも初めて食べたけど、美容にいいって彼が言うから食べてみた。


そして、私はこっそり彼の近くに置いたある物をじっと見ていた。

彼がいつそれに気付いて驚くのか見てみたかった。


「んー、マンゴーのスムージーもなかなか…」


ちらりと自分の近くに置いてあるゴーヤージュースを見て止まってしまった。

何であるの?とでも言いたいのだろう、ジュースと私を交互に見てきた。


さっき見つけたんだ、美味しそうでしょう?


「い、いや…」


『さっき聞いたんだけど、飲みやすくて美味しいんだって』


リンゴジュースも入って苦味があんまりなくて、子供でも飲めるんだって。

パパイヤミルクを飲みながら彼を見ていると、やはり嫌な顔をしながら一口。


「あれ?苦くない。美味い」


予想以上にどんどん飲んでいく彼。

逆に驚かされた、絶対飲まないって思っていたから。


< 44 / 144 >

この作品をシェア

pagetop