淡い色に染まるとき。
すべてを飲みきるとおかわりをしに行ってしまった。

私もほとんど食べ終わったからデザートでも取りに行こうと彼についていくと、周りの人達が彼の頬を見ている。


ハートが思った以上に目立っていたせいだ。彼は全く気にしていないのか、気付いていないのか、笑顔で席へ戻っていく。


「梓、そのゼリーって何?」


『ドラゴンフルーツゼリーだよ』


一緒に食べていても、隣の席に座る幼稚園児くらいの男の子が彼の頬を見ていた。

彼を急かしながら食べて早々と食堂を出た。


遊びに行く為に準備をして、外へ出る。


「日焼け止め塗ったか?真っ黒になっちゃうぞ」


塗ったよ。でも、昨日は塗りが甘かったみたいで肌が少し赤くなっちゃってる。

今日はバッチリ塗ったけど、海に入ってしまえば落ちてしまうかもしれない。

彼も少しだけ、腕と脚が赤くなっている。ちょっと触ってみると痛かったのか、髪の毛をグシャグシャにされた。


「さて、今日は色んなビーチに行くぞ」


まずは、新原ビーチへと向かう。

ここは、花ちゃんが家族旅行で行ったと聞いた。海が透明で真っ白な砂浜でとても綺麗だと教えてもらった。


彼にそれを教えると、彼も修学旅行で行ったことがあるらしい。


「グラスボートもあって、水族館みたいで楽しめるんだ」


グラスボートというものに乗ったことがない、何だか楽しみで色々な想像をした。

水族館みたいなもの、色んなお魚を見れる。


ワクワクしながらビーチに向かうと、彼が私を抱えてグラスボートへと走った。


「ほら、これがグラスボート。船底がガラスになってるんだ」


なるほど、これでお魚達を見れるということなんだ。

驚きながら中へ入っていくと、数組の家族と綺麗な女の人達が乗っていた。


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