淡い色に染まるとき。
「よく言ってくれた、ありがとう」


先輩には背中を叩かれ、校長や教頭はよくやったと肩を強く掴まれた。


「よしっ、授業しに行くぞ!」


先生達が気合を入れて、自分の頬を叩いた。



走り出す先生達を追いかけようとした、が。



脚が上手く動かせない、胃が痛い。眩暈がする。



その場に座り込むと、養護教諭の室田先生が駆け寄って心配してくれた。



「誰か!手伝って!」


室田先生の叫び声を聞いて、俺は気を失った。




遠くで梓の声が聞こえた気がした。



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