淡い色に染まるとき。
「梓を学校へ送る…食材を買いに行く…掃除する…」


朝ごはんを食べながらぶつぶつと呟く圭さん。そうだ、私が学校に行ったら色々やってもらわなきゃいけないことがあるんだった。

学校に行く前に自分で出来ることをやろう。まずは食器を片づけて、お布団を干して…。


圭さんがメモを確認している間、私はやるべきことをやった。


学校へ送ってもらう時、学校終わったらお見舞いに行こうと言ってくれた。

うん、行こう。行く前にお花買っていかないと。貯金箱からいくらか出したからこれで色んなお花買えるよ。


送ってもらって、私は急いで教室へ向かう。

昨日、唯香ちゃん達が心配してくれて留守電を入れてくれていた。ちゃんとお礼を言わなきゃ。


教室へ入ると、唯香ちゃん達が笑顔で迎えてくれた。


何度もありがとうと伝えると、友達なんだから気にしない!と言ってくれた。


ノートを写させてくれたり、分からないところを教えてくれた。


「彼は大丈夫なの?」


『一週間入院になったけど、大丈夫だよ』


「でも1人で家にいるなんて大変じゃないかなぁ?」


『彼の弟の圭さんが来てるの』


「1人で家にいるのかと思って心配したよっ。1人だったら私ん家においでって言おうと思ってたの」


『ありがとう』


本当にありがとう、優しい友達がいて本当によかった。

それからは私を笑わせようと冗談が嫌いな花ちゃんまでもが頑張ってくれた。

桃子ちゃんは指人形を使って物語を作っていた。私と3人の楽しく遊んでいる物語。

唯香ちゃんは花ちゃんの似顔絵を描いて、私を笑わせようとするけど花ちゃんが激怒して追い回されていた。


いつも通り、楽しい1日だった。



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