変色【BL】
「でも、そういう『好き』じゃなくて……」

羽矢抖は初めて躊躇う素振りを見せる。

紫月に恋人ができた、という噂が立った時と同じくらい暗い表情である。

「うん……、知ってるよ。いいよ、言わなくて」

ごめんという謝罪を全身で表す羽矢抖と向き合いながら、今度はちゃんと笑うことができた。
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