吸血衝動〜意地悪な君の条件〜
「呉羽!!?」
そんな私を見て驚いたように叫ぶ椎くん。
「ははっ。やった、やったぁ。これで俺は上級吸血鬼だ」
どうやら私を刺したであろう吸血鬼の男が嬉しそうに笑い、狂喜に満ちた目で空を見上げていた。
「はぁ...はぁ....」
やられた。
血を吸っていれば、気づけたが、血を吸ってなかったので吸血鬼の存在に気づけなかった。
「おい」
低い声が静かに響く。
この声は......
「今すぐ消えろ。下級吸血鬼」
「....っ」
私の前に現れた京に睨まれて消える吸血鬼の男。