純情のち、S彼氏
「冷たいなぁ、桃花。せっかく朗報を届けようと思ったのに」

「朗報?」

私が顔をあげると祐樹は自信げに言った。

「付き合おう、桃花」

「え?」

祐樹はニッコリ笑って私を抱きしめた。

「やっぱり俺、桃花が好きだ。桃花だってまだ俺のこと、好きだよな?」

そんなわけない。

私が好きなのはー…。

浮かんだ顔に私は目を見開いた。

あれ?私ー…。

「ね?桃花」

顔を近付けた祐樹を振り払う。

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