純情のち、S彼氏
塾ではもう授業始まっていた。

教室に入るなり先生が、

「何故遅れたんだ?」

と問いかける。

「あ…」

返答に困る私に気付いたのか、立花君は爽やかな声で言い放った。

「すみません。俺が足を挫いてしまって。櫻井さんが助けてくれて」

「そうか。席に着け」

先生は納得したようだ。

「ありがとう、何から何まで…」

私が小声で言うと、立花君は優しく笑った。

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