純情のち、S彼氏
教室に戻り、先生に事情を話した。

「じゃあ、櫻井さん、立花君の隣に移って」

先生が言った通りに立花の隣にカタンと座る。

立花の隣とか初めてだなぁ…。

恥ずかしいけど、嬉しい~っ。

自然と視線が立花の手にいく。

立花の手、やっぱり男の子だ。

そして、横顔を見る。

ほんとに、かっこいいんだよなぁ…。

みんなは何でわからないんだろう。

ジッとみていたら、立花がつぶやいた。

「見すぎ。視線で焼き殺す気か笑」

かぁっと顔が火照るのが、自分でもわかった。

「ご、ごめんっ」

バッと下を向くと、今度は立花から視線を感じた。

思わず立花の方を見る。

すぐ目が合った。

「な、なに?」

「俺も目で焼き殺そうと思って」
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