オレンジとレモン
「えっ…あ、うん」



この人はすごい。
私の言おうとした言葉がわかるなんて。




「……なんか。隼人と帰んのかなって思って」



「……え?」



そんな、隼人と帰るなんてとんでもない。
でも、
私にはこの一声がすごくうれしかった。




「……これから、毎日一緒に帰らない?」



「うん………」



って、え?!
遼、どうしたの?!


そんなスラスラ、一緒に帰ろうとか言える人だったっけ?!



私にはいくつか疑問がうまれた。



「ありがとう」



そういう遼の気持ちが、私には読めなかった。



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