誕生日は残業
唇を重ねていた時間はほんの数秒で、すぐ離れたけども、すごく長く感じて。
目の前で微笑む日野さんを、どうしようもなく愛しく思った。
「…たぶん、なんて嘘だったみたいです。
あたし、日野さんのこと、大好きです。」
そう、笑顔で言うと。
日野さんも笑顔で「ありがとう。」と答えた。
「さあ、ほんとにそろそろ帰って寝ないと、明日起きれないぞ。
早く帰ろう、俺んちへ。」
「はい…って、なにどさくさ紛れて、家に連れ込もうとしてるんですか!」
end