幼馴染、マネージャー、恋人。
この北階段は滅多にひとが来ない


「うわぁぁぁん」


ひとしきり、声を上げて泣いた




「それでね…」

人声がこっちに来る

次の休み時間が来たらしい


やば…

何処かに行けばよかったのに
とっさに私は掃除ロッカーに隠れてしまった


「大谷ウケるぅ」

え、私のこと…?

「キャプテンたちも
すぐ信じちゃうしさ?」


この声…岡村さんだ

「マジで!?」

「うん、クビになったらしいよ。
ざまーみろって感じ」

「優奈よかったじゃん。
前から鬱陶しがってたじゃん」

「ホント、ホント」



笑声は遠ざかる



私の乾いた頬には再び涙が伝った




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