どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
私をお前と呼ぶ星野くん。
他人にあまり興味がなさそうだから
もしかしたら私の名前も覚えてないんじゃないかって
不安に思って聞いてみると、彼はまっすぐ私を見て言った。
「心、だろ」
ドキンーっ。
星野くんはホチキスをとめる手を止め私を見ている。
「…………っ」
その視線に呼吸が止まってしまいそうになってドキドキする。
名前……呼ばれた……。
名字で返ってくると思ったのに急に名前で呼ばれてビックリして顔が赤くなる。
何を言ったらいいか分からなくて
ただ星野くんを見つめていると彼は言った。