どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
*王子様
あの後、ホチキス止めを終わらせ
先生に提出しに行くと、すぐに帰っていいと言われた。
それから駅まで一緒に帰って
色々な話をして、ちょっといい感じになって来たんじゃないかと思った矢先に
「なんか、星野くんって彼女いるらしいよ」
これだ。
「だって、隣のクラスの子が
すごい可愛い子と歩いてたって言ってたもん」
「まじで?だから彼女いるのって聞いたら答えてくれなかったんだ」
ずーんと落ち込む私。
彼女いるならアピールしようもないじゃんか……。
顔を伏せていると
「心ちゃーん」
佐野くんはやって来た。