どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


それは星野くんと話している時に限って。


「心ちゃんもしかしてイジ……」


「大丈夫、大丈夫

ほらよく考えてみると落としたかもっとか思ったし

記憶曖昧だった!ごめんね佐野くん、ありがと」


私は佐野くんの手から教科書を受けると教室に戻った。


ガラリー


と教室のドアを開けると、なんだか注目されてるような気がして

心臓がドクドク言う。


すると立ち止ってる私に理沙が声をかけてくれた。


「どうした?」

「あ、教科書があったからさ」


「良かったじゃん!どこにあったの?」


「落ちてたって、ドジしちゃったみたい」

「なんだ~」


と笑う理沙を見て安心する。




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