どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


佐野くんの話にうん、うんと深刻なあいずちを打ちながら聞く理沙。

話を聞き終わると納得したようで


「辛かったね」


そう言って頭を撫でてくれた。


「ちょっと、アンタも黙ってないで何か言いなさいよ」


「悪りぃ……」


!?!

突然頭の上から聞こえてきたのは星野くんの声で

いつここに来たのか私は分からないけれど

今この話を聞いてほしくなかった。


だって、これの犯人はきっと……


「アンタのせいでもあるんだからね

私はまだ彼氏がいるからターゲットにされなかったけど

心は一人なんだからこうなるのは当然じゃないっ!」


理沙、そんなにハッキリ言わなくても……。




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